事例 ~遺産分割調停~

遺産分割調停とは

被相続人の遺産分割にあたり、相続人間で円満に話がまとまらない場合に裁判所に申立てることによって調停を利用することができます。相続人のうち一人もしくは何人かが、他の相続人全員を相手方として申立てることになります。 調停では、裁判官と調停委員から、相続人全員の希望等を聴取した上での客観的な判断による助言を受けることができます。 その助言を元に、合意を目指して話し合いを進めます。

事例
依頼者Aさんの妻Bさんが亡くなり遺産相続が開始された。 右図の通り、8名だった。(最終的には甥・姪各1名ずつが相続放棄したので、6名)
また、Bさんの遺産は総額6,000万円程度あった。
法定相続分に従うと被相続人Bさんの配偶者である依頼  者Aさんが 3/4、存命している兄弟が1/16、甥・姪が
1/48(相続放棄した者も含む)という配分になる
しかしBさんの兄弟は依頼者Aさんを良く思っておらず、この配分での遺産分割手続きに応じなかった。
さらに、姉Cさんに至っては、すべての財産を自分が相続すると主張した。
依頼者Aさんは事務手続きに不慣れなこともあり、話し合いを進めることもできなくなったため、以後の手続について当方に相談に来た。
そして、遺産分割調停の申立てを行うこととなった。
ひとこと
甥・姪各1名は、相続放棄をするというので、その手続きを進め、Aさんが申立人、残る5名の相続人を相手方とする申立てとなりました。 結局、調停により、Aさん以外の相続人5名で遺産のうち約2,000万円を相続し、Aさんはそれ以外の遺産を相続することで合意に至りました。
相続人間で話し合いがつかず滞っていた手続きが、調停を申立てたことによって解決した例ですが、もしも調停が不成立に終わった場合には、自動的に審判手続きに移行され、裁判所による公平な判断で審判が下されます。 相続手続きは、できれば調停や審判によるものではなく、最初から相続人間で円満に解決できるのがベターですね。