| 【Q&A】 |
Q.特に遺言をしたほうがいいのはどういう場合ですか?
Q.遺言でできることは?
Q.相続させたくない者がいるのですが…
Q.遺言を作成した後に内容を変更できますか?
Q.認知症の親でも遺言は可能ですか?
Q.自筆証書遺言の書き方を教えてほしい |
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Q.特に遺言をしたほうがいいのはどういう場合ですか?
遺言は、生前における最終的な意思決定を、その死後に実現させるものです。
・ 大した財産はないから・・・
・ 話し合いでうまくやってくれるだろう・・・
と考えがちですが、苦労して築いた財産が原因でトラブルになるのは決して珍しいことではありません。特に、下記に該当する方は、残された家族のために特別な配慮が必要です。
1.お子さんがおられない方
夫婦の間に子供がいない場合に,法定相続となると,夫の財産は,妻が4分の3,夫の兄弟が4分の1の各割合で分けることになります。しかし,長年連れ添った妻に財産を全部相続させたいと思う方も多いでしょう。そうするためには,遺言をしておくことが絶対必要なのです。兄弟には,遺留分がありませんから,遺言さえしておけば,財産全部を愛する妻に残すことができます。
2.内縁の配偶者がおられる方
長年夫婦として連れ添ってきても,婚姻届けを出していない場合には,いわゆる内縁の夫婦となり,妻に相続権がありません。したがって,内縁の妻に財産を残してあげたい場合には,必ず遺言をしておかなければなりません。
3.後妻さんがおられる方
先妻の子と後妻との間では,とかく感情的になりやすく,遺産争いが起こる確率も非常に高いので,争いの発生を防ぐため,遺言できちんと定めておく必要性が特に強いといえましょう。
4.商売をされている方
事業用の資産や権利を話し合いで分割するのは困難です。
5.相続人に行方不明者がいる場合
遺言がなければ、不在者財産管理人を家庭裁判所で選任した上で、分割協議をする必要があります。
6.長男の嫁に財産を分けてやりたいとき
長男死亡後,その妻が亡夫の親の世話をしているような場合には,その嫁にも財産を残してあげたいと思うことが多いと思いますが,嫁は相続人ではないので,遺言で嫁にも財産を遺贈する旨定めておかないと,お嫁さんは何ももらえないことになってしまいます。
7.上記の各場合のほか,各相続人毎に承継させたい財産を指定したいときとか
(例えば,不動産は,お金や預貯金と違い,事実上皆で分けることが困難な場合が多いでしょうから,これを誰に相続させるか決めておかれるとよいでしょう。),あるいは,身体障害のある子に多くあげたいとか,遺言者が特に世話になっている親孝行の子に多く相続させたいとか,可愛いくてたまらない孫に遺贈したいとかのように,遺言者のそれぞれの家族関係の状況に応じて,具体的妥当性のある形で財産承継をさせたい場合には,遺言をしておく必要があります。
8.相続人が全くいない場合
相続人がいない場合には,特別な事情がない限り,遺産は国庫に帰属します。したがって,このような場合に,特別世話になった人に遺贈したいとか,お寺や教会,社会福祉関係の団体,自然保護団体,あるいは,ご自分が有意義と感じる各種の研究機関等に寄付したいなどと思われる場合には,その旨の遺言をしておく必要があります。
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Q.遺言でできることは?
1.民法で定められた法定相続分と異なる相続割合を決めること。
2.遺産分割の方法を決めること。
3.特定の相続人を廃除(相続人から除く)すること。
4.定められた相続人以外のものに財産を遺贈すること。
5.遺言執行者の指定等
6.子の認知
7.後見人の指定
8.寄付行為、信託等
etc...
遺言でできることは多岐にわたりますが、万能ではありません。
遺言で相続分の指定をしたり、遺贈をしても、遺留分の範囲で遺言の自由は制限されます。
また、生前にされたのでは紛争が生じてしまうといったことを防ぐため、遺言によってしかなしえないような事項もあります。
その他個々の要件は法律によって非常に厳格に定められているのです。
せっかく作成したのに、法的に無効な遺言だった、などといったことのないよう、しっかりとした知識を身につけて下さい。
また、有効な遺言の前提となるものは法律です。複雑なものになると学者の間でも争いがあることもあります。
個々の具体的な状況をしっかりと把握し、必要に応じて、弁護士や司法書士等の専門家に相談するようにしましょう。
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Q.相続させたくない者がいるのですが…
生前の被相続人に対して、相続人となるべき者として相応しくない行いなどをした者には、遺産を相続できないようにすることが可能です。
遺言による相続分の指定
これは、相続分を特定の相続人に集めることによって、別の相続人を実質的に排除しようとするものです。しかし、ある相続人の相続分を完全に奪ってしまうわけにはいきません。民法が、相続人に対して最低限の保障をしようという趣旨から、遺留分の制度を設けているからです。ただし、被相続人の兄弟姉妹は、遺留分を有しませんので、遺言によって、その相続分を取り上げてしまうことができます。
推定相続人の廃除
民法は、遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人になるべき者)の廃除の制度を設けています。これは、ある相続人が生前の被相続人に対して虐待をしたり、重大な侮辱をしたりしたときや、また相続人として相応しくない行為をしたときは、生前の被相続人は、家庭裁判所に申し立てをして、その者の相続権を取り上げてもらうことができます。これを相続人の廃除といいます。この制度は、被相続人が遺言で用いることもできます。この場合の申し立ては、遺言執行者が行います。
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Q.遺言を作成した後に内容を変更できますか?
遺言は,人の最終意思を保護しようという制度ですから,訂正や取消し(遺言の取消しのことを,法律上は「撤回」と言います。)は,いつでも,また,何回でもできます。
遺言は,作成したときには,それが最善と思って作成した場合でも,その後の家族関係を取り巻く諸状況の変化に応じ,あるいは,心境が変わったり,考えが変わったりして,訂正したり,撤回したいと思うようになることもあると思います。さらに,財産の内容が大きく変わった場合にも,多くの場合,書き直した方がよいといえるでしょう。
以上のように,遺言は,遺言作成後の諸状況の変化に応じて,いつでも,自由に,訂正や,撤回することができます。ただ,訂正や,撤回も,遺言(その種類は問いません。)の方式に従って,適式になされなければなりません。
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Q.認知症の親でも遺言は可能ですか?
事情を伺った上で最善の方法をご提案致しますのでまずはご相談ください。
ちなみに遺言ができる者について、民法は次のように定めています。
満15歳に達した者は、遺言をすることができます。これを遺言適齢といいますが、満15歳になっても、精神障害などで判断力のない者が遺言しても無効であることはいうまでもありません。
未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人も単独で遺言することができます。未成年者については満15歳以上、成年被後見人についても遺言する時に、その能力があれば可能。つまり正気に戻っていれば、誰の承認を受けることなく、単独で遺言をすることが許されています。なお、成年被後見人は、2人以上の資格のある医者を立ち合わせて遺言しなければならないことになっています。遺言に立ち会った医者は、遺言者が遺言をした際に、正常な精神状態に戻っていたことを証明します。
ある人Aにつけられていた後見人(未成年後見人あるいは成年後見人)が、任務を終了した後、後見中の財産管理の計算を済ませていない間に、Aが後見人やその配偶者、またはその子孫に利益を与えるような遺言をしても、その遺言は無効になります。ただし、Aの祖父母のような直系尊属、Aの配偶者、Aの兄弟姉妹が後見人であるときは、そのような遺言は無効となりません。
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Q.自筆証書遺言の書き方を教えてほしい
下は自筆証書遺言の一般的な例ですが、当事務所では有効性を保障できませんので参考程度にお考え下さい。
全文を自分で手書きし、忘れずに日付と氏名書き入れてください。印鑑は認印でも構いませんが、なるべくなら実印の方が良いでしょう。
作成後、封筒に入れて封印をし、信頼できる身近な人に預けておくと良いでしょう。
もし書き間違えた場合、民法で定められている厳格な方法で、訂正しなければなりません。
これを守らないと無効になります。
全文を書き直した方が無難だといえます。
遺言の内容はいつでも何度でも変更できます。
新しい遺言書を書き直すだけで、それが優先することになります。信頼できる人を遺言執行者として、「遺言執行者に○○を指定する」の一節をぜひ書き入れておきましょう。
※
遺言書の中の文字を書き加えたり、削除したり、そのほかに変更をしたときは、必ず、遺言者は、「第何行目の第何字を何字削り、何字加える」というように、変更した場所を指示し、変更したことを付記した後に署名し、その上、変更した場所に押印しておかなければなりません。
自筆証書遺言の例)
遺言書
遺言者山川太郎は、次のとおり遺言する。
第一条 遺言者は、遺言者の所有する次の財産を妻山川花子(昭和○○年○月○日生)に相続させる。
1.土地
所 在○○県○○市○○町○丁目
地 番○○番
地 目宅 地
地 積○○○・○○平方メートル
2.建物
所 在○○県○○市○○町○丁目○○番地
家屋番号○○番
種 類居 宅
構 造木造瓦葺二階建
床面積一階 ○○・○○平方メートル
二階 ○○・○○平方メートル
3.日本郵政公社(○○郵便局)にある遺言者名義の貯金
第二条 遺言者は、遺言者の所有する次の財産を、長男山川一郎(昭和○○年○月○日生)に相続させる。
1.土地
所 在 ○○県○○市○○町○丁目
地 番 ○○番
地 目 宅 地
地 積 ○○○○・○○平方メートル
2.建物
所 在 ○○県○○市○○町○丁目○○番地
家屋番号 ○○番
種 類 工 場
構 造 鉄骨造陸屋二階建
床面積 一階 ○○○・○○平方メートル
二階 ○○○・○○平方メートル
3.株式会社山川機械製作所の株式のうち遺言者が有する○○○株を全部。
4.上記2に記載された建物内にある機械類その他の動産一切。
5.○○銀行○○支店にある遺言者名義の預金
6.○○証券を通じて購入している遺言者名義の投資信託
第三条 遺言者は、前2条記載の財産を除く遺言者の有する不動産、預貯金、現金その他一切の財産を、長女松田早苗(昭和○○年○月○日生)に相続させる。
第四条 遺言者は、遺言者の借入金、その他未払債務、公租公課の支払を長男山川一郎に負担させる。
第五条 遺言者は、この遺言の執行者として、○○県○○市△△町○丁目○番○号司法書士甲山三郎氏を指定する。
平成○○年○月○日
○○県○○市○○町○丁目○番○号
遺言者 山 川 太 郎 (印)
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